北林谷栄に関連する作品一覧
娘の冒険
となりのトトロ
都会からそんなに遠くない田舎町に引っ越してきたサツキとメイ。お化けやしきみたいに古い家には、何かが棲んでいる気配がいっぱい。サツキたちの家の裏にある神社の大木をすみかにしているトトロ。人の住んでいない家をススやホコリだらけにしてしまうススワタリ(まっくろくろすけ)。大きな目と大きな口、そして何本もある足で空間を自由自在に走りまわる巨大なネコバス。サツキとメイは次々に奇妙ないきものと出会い、ステキな冒険に飛び出す。
赤い蕾と白い花
三輪重夫と岩淵とみ子は高校三年、仲の良いクラスメートだ。ふたりが友達になったのは、同じような境遇に育ったからかもしれない。とみ子は父親を早くに亡くし女手一つで育てられ、重夫には母親がいなかった。しかし彼等らには、暗い影はみじんもなかった。ある日ふたりは、お互いの親がなぜ再婚しなかったかを話し合い、子供の幸福のためであるという意見に一致した。そして、これからは親たちが楽しくつき合うチャンスを作ろうというとみ子の考えに重夫も賛成した。その夕方、学校の帰りに三輪医院に寄ったとみ子は、重夫の父・貞一の人柄にすっかり魅せられた。 翌日、真知子が風邪をひいて寝込むと、とみ子は三輪医院へ電話して、来診を頼んだ。それから毎日、貞一が真知子を診察にきた。つまり、とみ子と重夫の計画どおりになった。ある日、田舎からとみ子の祖母おかねが出てきた。真知子は貞一は、おかねを羽田空港に連れて行き、遊覧飛行機に乗せた。そのとき真知子が足を捻挫し、やむを得ず貞一が彼女を抱いてるところを、真知子が校長をしているドレス・センターの生徒たちに撮られた。数日後、重夫がとみ子の家で試験勉強をしているとき、羽田空港で撮られた写真が届いた。貞一に抱かれ、スカートから白い足が露わな母の写真を見たとみ子は顔色を変え「汚らわしいわ!」 と急に泣き出し、重夫を驚かせた。 そして、親たちへのレジスタンスのために家出すると主張した。一度言い出したらきかないタチの彼女を一人で家出させるのは危険だと思った重夫も、不承不承同意した。ふたりは書き置きを残し、貯金と勉強道具を持って家出した…。
野性の証明
東北奥地で村民のほとんどが殺される虐殺事件が発生。山中で訓練をしていた自衛隊特殊部隊の味沢は偶然そこに居合わせて犯人を殺し、唯一生き残った村の少女・頼子を救う。やがて退職した味沢は頼子を養女にし、保険外交員として暮らす。そんなある日、彼は暴漢に襲われた女性記者・朋子を救うが、彼女は町を牛耳る実業家・大場の不正を暴こうとしたために命を狙われていた。一方、味沢には彼を虐殺犯と疑う北野刑事が付きまとう。
人生劇場 第一部 青春愛欲篇
利休
戦国時代にあって、お茶の道を追究し続けた千利休。そんな美と知の体現者・利休と、絶大な権力を持ちながらも粗野で利休とは対極にある秀吉の確執を描く。映画に登場する生花はすべて、自身も華道・草月流の家元である勅使河原監督の手による。利休を演じた三國連太郎と秀吉を演じた山崎努の対照的な演技のぶつかり合いもみどころ。また、同時期に公開された「千利休 本覺坊遺文」との“利休対決”も話題となった。
十代の誘惑
流し雛
にっぽん昆虫記
大正7年に東北の農村で生まれた松木とめは、23歳で製糸工場の女工して働き始めた。しかし地主の本田家へ嫁入りさせられ、出征する俊三に抱かれ妊娠する。娘の信子を出産したとめは本田家を出て製糸工場に戻り係長と関係を結ぶようになるが、会社をクビになってしまう。とめは単身上京し、売春を始める。コールガール組織を作るまでになったとめは、故郷から父親と娘を呼び寄せた。
恋人
結婚前夜、幼馴染みの誠一を誘って銀座に繰り出した京子。結婚前の自由な時間を楽しく過ごしたいと望む彼女は、映画やアイススケートを楽しみ、誠一との食事を堪能する。帰宅時間を気にする誠一に対し、京子の胸にはいつしか帰りたくないという思いが募り…。
美女と盗賊
惜春
キューポラのある街
中学3年の石黒ジュン(吉永小百合)は、鋳物工場の直立炉(キューポラ)が立ち並ぶ埼玉県川口市の鋳物職人の長女である。何事にも前向きで、高校進学を目指すジュンだが、父・辰五郎(東野英治郎)が工場を解雇されたため、家計は火の車で、修学旅行に行くことも諦めていた。 自力で高校の入学費用を貯めようと、パチンコ屋でアルバイトを始めるジュン。担任教師の助力で修学旅行にも行けることになった。しかし、ようやく再就職した父親は、待遇が不満で仕事をやめてしまった。絶望したジュンは女友達と遊び歩き、危うく不良少年たちに乱暴されかけた。 全日制の高校進学を取りやめて、就職を決断するジュン。北朝鮮への帰還問題で苦悩する朝鮮人の一家や、貧しくとも力強く生きる人々との交流を通じて、ジュンは、自立して働きながら定時制で学び続けることに意義を見出したのだった。
日本の悲劇
黄泉がえり
熊本県阿蘇地方で死んだ人が蘇るという超常現象が起こる。厚生労働省職員の川田平太は、現象の謎を探るため、自分の生まれ故郷でもある現地に赴く。「ヨミガエリ」と名付けられたこの現象は、さまざまなところで人が心に抱いていた思いを呼び起こすきっかけとなって行く。やがて山中で巨大な隕石口が発見され、また現象に対する研究も進められるが、突如ある限界が訪れる。
白い野獣
原爆の子
炎上
溝口吾一は父の親友が住職をつとめる驟閣寺に住み込むことになった。驟閣寺はこの世で最も美しいものと教え込まれた吾一だったが、やがて観光客が多数訪れるようになり、信仰の場ではなく単なる観光地に成り下がってしまうのを目の当たりにする。古谷大学に通うようになった吾一は戸苅という学生と知り合うが、戸苅は驟閣寺の美を批判し、住職の私生活を暴露した。
地の群れ
肉弾
岡本喜八監督による戦争ドラマの傑作。特攻隊員となった若者が作戦遂行直前に与えられた一日だけの休日に体験した瑞々しい出来事を通して戦争の愚かさとそれによって踏みにじられた幾多の青春への思いをコミカルなタッチで痛切に描く。昭和20年夏。“あいつ”は魚雷をくくりつけたドラム缶に入り、太平洋上に浮かんでいた。特攻隊員のあいつは一日だけの外出で色々な人たちに出会った。古本屋の老夫婦、砂丘で知り合った兄弟とおばさん。参考書を持った美しい少女とは、やがて防空壕の中で結ばれた。 しかし、その少女は空襲で死んでしまった…。あいつは魚雷と共に復讐へ向かった。そして、ついに敵らしき船を見つけた…。
みんなわが子
月曜日のユカ
横浜の外国人客が多い上流ナイトクラブでは、今日もユカと呼ばれる18歳の女の子が人気を集めていた。さまざまな伝説を身のまわりに撒きちらす女、平気で男と寝て、教会にもかよう。彼女にとっては当り前の生活も、人からみれば異様にうつった。横浜のユカのアパートで、ユカがパパと呼んでいる船荷会社の社長は、初老の男だがユカにとってはパパ を幸福にしてあげたいという気持でいっぱいだ。ある日曜日、ユカがボーイフレンドの修と街を歩いていた時、ショウウィンドウをのぞいて素晴しい人形を、その娘に買ってやっている嬉しそうなパパをみた時から、ユカもそんな風にパパを喜ばせたいと思った。ユカの目的は男をよろこばすだけだったから...。
阿弥陀堂だより
東京に住む上田孝夫と美智子の夫婦。孝夫は売れない小説家、美智子は大学病院の有能な医師だった。ある日、美智子は流産をきっかけにパニック障害という心の病にかかってしまう。都会の生活にも仕事にも疲れきっていた2人は、孝夫の故郷である信州へ移住することを決心した。2人は移り住んだある村で、村の死者がまつられた阿弥陀堂で暮らしているおうめ婆さんを始め、様々な人々と出会った。喋ることが出来ない難病を抱える少女・小百合は、おうめが日々思ったことを書きとめ、村の広報誌に“阿弥陀堂だより”として連載していた。
駅 STATION
その日、警察官の英次は雪の降り続く銭函駅ホームで、妻の直子と、4歳になる息子義高に別れを告げた。離婚を承諾した直子は、動き出した汽車の中で、英次に笑って敬礼するが、その目には涙が溢れていた。苛酷な仕事と、オリンピックの射撃選手に選ばれ合宿生活が続いていたことも原因であった。傷心をひきずる中、ある日の検問中、英次の上司・相馬が英次の目前で連続警察官射殺犯“指名22号”・森岡茂に射殺された。中川警視の「お前には日本人全ての期待がわかっている」との言葉に、犯人を追跡したい英次の願いは聞き入れられなかった。テレビが東京オリンピックマラソン競技三位の円谷幸吉の自殺を報じていた。「これ以上走れない……」英次にその気持が痛いほどわかった。
こころ
穴
警官の汚職事件の記事を書いた長子は、それが原因で出版社をクビになってしまった。偽の失踪事件を自分で起こしてそのルポを書くことにするのだが、現金横領事件に巻き込まれてしまい…。
血と海
億万長者
橋のない川 第二部
震える舌
破傷風に侵された少女と、それを看病する両親の闘病記を、ホラー映画のように纏め上げた異色作。埋め立て地での泥遊びにより破傷風となってしまった女の子。死亡率が非常に高く、光、音などの刺激により激しい痙攣を引き起こすこの病気の看病は非常に困難で、母親は、その疲労により徐々に精神を蝕まれていく...。
月山
婉という女
喜劇 一発勝負
野菊の墓
ぼんち
最後の戦斗機
終戦近く―。南九州の某海軍特攻基地は、予備学生出身の将校で占められていた。司令部の情報係・白井中尉は、「飛行不能」を報告した西河二飛曹に、着任早々の司令・関根少佐が「攻撃続行」を命令したことにいたたまれない気持だった。そんな白井中尉を大学時代からの親友である副官・遠藤中尉は気遣った。ある日、鹿屋の艦航司令部から参謀・双葉中佐と補充の戦闘機が到着。やがて菊水十号作戦、第三次特別攻撃隊員の氏名が発表された。ある者は闘魂を燃やし、ある者は静かな諦めの中に、ある者は絶望に浸りながら身の廻りの整理にかかった。彼等を見る白井中尉の面持は、悲痛にゆがんでいた。しかし、不運にも出撃前に敵弾に倒れた三木中尉の代わりを、白井中尉は名乗り出た。出撃の日、白井中尉は東京から逢いに来た恋人・則子に何も云わなかった。同乗する清水二飛曹も、秘かに慕う従姉の宏子に、表面は元気良く別れを告げて来た。絶好の飛行日和を迎え、第三次特攻隊は飛び立った…。
あすの花嫁
女ひとり大地を行く
あした逢う人
男の哀愁
柔道開眼
ドレイ工場
小林多喜二
レ・ミゼラブル あゝ無情 第一部 神と悪魔
レ・ミゼラブル あゝ無情 第二部 愛と自由の旗
大魔神逆襲
大魔神シリーズ第三弾。非道な領主のもとで強制労働をから逃げ出した村人たちを救うため、四人の子供たちが禁足地の山中へ向かう。領主側は追っ手を放ち、子供の一人が命を落としてしまう。そしてついに、山の武神像が動き出す。 吹雪の特撮が印象的で、大魔神がその宝剣を初めて抜いたことでも話題になった。今回は子供の涙によって魔神が動くというのが新味だが、虐げられた良民の祈りが魔神に通じ怒りが爆発という基本パターンから脱却しきれず、新しいインパクトを与えるには及ばなかった。本作でシリーズは終了し、大映の特撮時代劇は妖怪シリーズへと移る。『マグマ大使』のガム役で知られる二宮秀樹が鶴吉を好演。
北国の旅情
冬休みを利用してクラスメイトを訪ねた大学生が、そこで起きる結婚問題に巻き込まれ、自分の本当の気持ちに向き合っていく純愛大作。
北国の原野を走る蒸気機関車の中に、座席で揺られている英吉の姿があった。大学の冬休みを利用してクラスメイトの由子を訪ねるためだ。由子から婚約の話を聞いて、英吉は訪ねる旨を書いた手紙を出した。一方、由子の実家である金井家はその手紙で大騒ぎとなった。英吉の訪問が婚約者に知られたら大変だと由子の父母は大慌て、しかし由子本人は婚約者の家で家庭教師をしていて、手紙のことも騒ぎのことも知らなかった。由子の妹、妙子は事の重大さを知り、隣町から列車に乗り込み英吉を探したが見つけられなかった。そのうち列車は到着し、英吉は金井家にやって来た。由子の父母があたふたするなか、祖母だけは部屋に招き入れて歓待した。そこへ遅れて由子も帰ってきて、英吉の来訪に驚きながらも喜び、金井家が大騒ぎになっていたことも知った。由子は英吉に、愛する人ができたから婚約したのだと伝えた。英吉は無言で窓の方を見ていたが、ただ一言「幸せを祈るよ」と言った。
限りなき情熱
かげろう
醜聞
特異な画風とオートバイ愛用者で有名な青年画家・青江一郎は、美貌の声楽家・西條美也子と伊豆の旅館に居る所を写真に撮られた。その写真は雑誌「アムール」にスキャンダルとして掲載され、雑誌は煽情的な見出しとともに爆発的に売れた。捏造に激怒した青江は、雑誌編集長と裁判で争うことになるが、そこへ蛭田という弁護士が名乗りを上げる。
苦海浄土
怪奇十三夜 第三回 謎の幽霊御殿
太陽の墓場
橋のない川
白蛇抄
華蔵寺で暮らす石立うたは、二年前に家族を失い自殺を図ったところを、住職の懐海に助けられ、後妻として迎えられた。懐海のひとり息子の昌夫は、夜ごとに繰り返される実父と義母との情交を覗き見て、うたへの想いを募らせていた。また、うたが救助されたときに立ち会った村井警部補も、彼女の肉体に魅せられていた。やがて昌夫とうたは密会し愛し合うようになるが、懐海が二人の密会場所で殺害されてしまう。二人が愛し合っていることを知った村井は、うたを問い詰めるのだが…。
釈迦
釈迦の生誕から入滅までを壮大なスケールで描いた歴史スペクタクル。世を憂えて修行の道に入ったシッダ太子は、悪魔の誘惑を退けついに悟りを開く。だが彼に嫉妬するダイバ・ダッタは、バラモンの法力を以て、シッダ太子と仏教徒を様々な方法で迫害していくが......。
黒部の太陽
富山県黒部川上流に関西電力が建設する第四発電所。現場責任者には北川が任命され、資材運搬用のトンネル掘削は熊谷組が担当することになった。熊谷組の岩岡源三の息子である剛は父の強硬なやり方に反発し設計技師となっていた。現場に赴いた剛はそこで体力が衰えてしまった父と、熱心に工事に打ち込む北川の姿を見て、工事に参加することにする。やがて工事現場では山崩れが起こり大量の水が流れ込んだ。北川は自分の娘が白血病に冒されたことを知るが、工事現場を離れることができなかった。
紙芝居昭和史 黄金バットがやって来る
ビルマの竪琴
大誘拐 RAINBOW KIDS
天藤真が1978年に発表して第32回日本推理作家協会賞を受賞し、週刊文春が2001年に行なった「20世紀傑作ミステリーベスト10」では国内部門の堂々第1位に選ばれた「大誘拐」。この小説に惚れ込んだ岡本監督が、長年の映画化の夢をついに実現。誘拐された老女が誘拐犯たちを逆に手玉に取り、国やマスコミを相手に前代未聞の大バクチに打って出るさまを、同監督ならではの反骨精神満載で小気味よく活写。ベテランの個性派女優・北林も会心の演技を披露。数々の映画賞に輝き、痛快無類の傑作に仕上がった。
健次ら、刑務所帰りの若者3人組は、紀州一の山林王である大金持ちの老女・柳川とし子の誘拐を計画。彼女が山歩きに出るところを待ち伏せして、誘拐に無事成功する。ところが、彼らから身代金の要求額が5000万円と聞かされたとし子は、「自分を見損なってもらっては困る、身代金は100億円や!」と、当の本人が前代未聞の法外な身代金を要求。かくして和歌山県警本部長・井狩と、とし子の知力を尽くした壮絶な戦いが始まる。
妖婆
あやに愛しき
母のない子と子のない母と
わが町
自分の穴の中で
ボクは五才
母なき子
夜明け前
帝銀事件 死刑囚
にっぽん泥棒物語
青い山脈
鍵
発表当時、その大胆な性の取り扱いゆえに国会で論議されるほどのスキャンダラスな話題を呼んだ谷崎潤一郎のベストセラー小説を、もっとも脂の乗っていた時期の市川崑監督が映画化した作品。初老の古美術鑑定家(中村鴈治郎)とその妻(京マチ子)、さらには娘(叶順子)の恋人の医師(仲代達矢)を交えた4人の奇妙な関係と異常な性愛を官能的に描く。カラーの発色を極力抑えた宮川一夫の撮影も秀逸。カンヌ映画祭審査員特別賞、キネマ旬報脚本賞ほか受賞。
張込み
東京の深川で2人組の犯人による質屋強盗殺人事件が発生。主犯は逮捕されたものの、共犯の石井は目下逃走中。彼が昔の恋人に会いたがっていたという主犯の証言をもとに、2人の刑事、柚木と下岡が、暑い夏のさなか、横浜駅から満員の夜行列車に乗り込み、九州の佐賀県まで出向くことに。彼らは、いまや人妻となっているさだ子という女性を見張るため、彼女の家の真向かいにある宿の2階の部屋に陣取り、辛抱強く張り込みを続ける。
真夜中の招待状
稲川圭子(小林麻美)は、婚約者の田村樹生(小林薫)のことで神経科医の会沢(高橋悦史)を訪ねた。樹生の三人の兄が次々と蒸発するという謎の事件が続き、そして今度は自分が蒸発してしまうのではないかという強迫観念にとらわれて樹生がノイローゼに陥ってしまったのだ。まるで神隠しにあうかのように忽然と人が消える。その事件を解く鍵として、会沢は樹生に夢の記述を勧める。夢という形で近い将来に起こることを予見する本能が人間にはあるのだという。樹生と圭子はやがて三人の蒸発には奇妙な関連があることに気付くのだが…。
人間の壁
風車のある街
愛・旅立ち
1980年代の日本を代表する2大アイドル、近藤真彦と中森明菜という超大物同士の顔合わせが実現。公開前から大きく注目を集めたが、さぞロマンティックな映画になるかと思いきや(宣伝コピーは「いのちいっぱい恋をします。」だった)、いきなり宇宙の場面で幕を開けるという壮大なスケールに当時の観客たちは驚愕。近藤演じる青年と中森演じる難病の少女の運命的な熱愛を描くが、精神世界という意外な方向に転じていくのもびっくり。日本映画好きの間で語り継がれているのも納得の怪作だ。監督は舛田利雄。
女舞
女中ッ子
キクとイサム
越後つついし親不知
狼
ごろつき無宿
九州の炭坑を捨てて上京した青年・武田勇。無鉄砲だが正義感の強い彼が、一人前のテキヤに成長していく過程の中で、大工場と結びついた悪辣な暴力組織と対立。やがて大切な人を奪われた時、コンビナート群に巣食う悪の温床に、その身を捨てて立ち向かう。
非行少女
15歳の若枝はうす汚ないバーで酔客と酒を飲み、ヤケクソのように女給のハイヒールをかっぱらってとび出した。東京で仕事に失敗して帰って来た21歳の三郎は、職安通いの空虚な毎日を送っていた。暗く陰うつな北陸の空、金沢の映画館の前で幼ななじみの二人は再会した。三郎はうらぶれた彼女に、なけなしの金からスカートを買ってやった。喜んだ若枝は、のんだくれの父親長吉と、いやな継母のいる家をとび出したわけを話した。若枝をこれ以上堕落させまいと決心した三郎は、翌日から少しずつおくれた勉強を教えてやった。若枝の心にやすらぎがよみがえり、三郎はうれし泣きする彼女の涙をそっとすすってやるのだった…。
天城越え
14歳の少年と娼婦が天城峠を旅しているときに起きた殺人事件と、30年間、事件を追い続けた老刑事の姿を描く。家が嫌になり静岡の兄を訪ねるため、ひとり天城越えの旅に出た少年。途中、素足で旅するハナという女性と出会い、二人並んで歩く。しかし、道中、旅の資金を手に入れるために行きずりの男に声をかけるハナ。無理やり少年と別れたハナの後を、密かに追った少年は草陰で情交を重ねる二人の姿を目撃してしまう…。
太陽のない街
せんせい
モンテンルパの夜は更けて
こんにちは赤ちゃん
だれの椅子?
疑惑
「砂の器」の名コンビである松本清張(原作・脚色)と野村芳太郎監督のコンビによる、推理サスペンス・ドラマ。桃井かおりと岩下志麻を主役に迎え、自動車事故で死亡した富山の財閥と、その夫人に着せられた保険金殺人の疑惑を辣腕女弁護士が解明してみせる。富豪の後妻に桃井かおりが扮し、その独特のエロキューションや、悪女と呼ばれる女のふてぶてしさ、可愛らしさを見事に表現。対する女弁護士には岩下志麻が扮し、終始毅然とした“理性の女”ぶりを発揮。そのクールな表情は、時としてホラー映画さながらの冷徹さを見せるほど。 この“理と情”のシンボルとも言えるふたりの女を、野村監督の演出は見事な対比で描いて見せ、事件の概要をも彼女らの言動を通して観客がすんなり理解出来るあたりの手腕はさすが。また桃井の後妻は過去に関する描写にウエイトを置いている一方、岩下の弁護士は離婚歴があり、夫側にいる娘とのやりとりを通してしか、「なぜ、彼女がそういう女になったか?」について言及していない、この描きわけが面白い。観客としては当然、桃井の悪女のほうに感情移入しがちなのだが、その彼女の窮状を救うのが、岩下の冷静な判断力と推理であるあたりの皮肉とカタルシスが、爽快な後味を与えている。ただし判決確定後、ふたりの女が交わす本音のやりとりは、両女優の演技合戦という意味も含めて、世の男性諸氏を恐怖のどん底にたたき落とすほどの壮絶さ。ご注意を。
みだれ髪
悪魔が呼んでいる
エデンの海
瀬戸内海に臨む女子高校に、東京から青年教師・南条が赴任してきた。南条の明るい人柄に生徒たちの人気が集ったが、清水巴だけは反抗的な態度を捨てなかった。運動会で、巴と南条が目かくし競争にコンビで出場することになった。ところが、勢い余って二人は来賓席に飛び込み、巴が気絶してしまった。医務室に運び込まれ、ようやく気がついた巴は、恥ずかしそうに南条に告げた。「先生、私、おしっこしちゃった」南条は仕方なく、巴に下着を買って来てやったのだが、この事が町中に広がり、南条を糾弾する職員会議が開かれることになった。南条は巴の恥をかばい真相を話さないために窮地に立ったが、巴が飛び込んで来て涙ながらに全てを語るのだった。この事件以来、二人は爽やかな師弟愛で結ばれるようになった。夏休みになって、南条は、同僚の女教師・増川先生から講習に誘われて上京したが、突然、巴が現われた。それは南条と増川の同行を知った上での行動だった。南条は困惑した。新学期が始まると途端に、南条と巴が東京に新婚旅行に出かけた、という噂が学校中に広まった。南条は少しも気にしない様子だったが、食当りで学校を休んでいるはずの巴が、馬を乗り回して遊んでいるというので、巴を探しに出かけた。南条は海辺で裸馬を駆って若さを発散させている巴の姿を見つけた。そして、今まで気がつかなかった巴の美しさに圧倒された。その時、巴は南条を馬に乗せると町を駆け抜け、校庭へ走り込んだ。驚き呆れる人々の眼。だが南条は「やっとウップンが晴れた」という巴を、愛しく思うのだった。巴はさらに馬を走らせたが、急に突び出して来たトラックを思わずよけた勢いで、二人は、馬から投げ出され、海に転落、巴は大怪我をした。南条の献身的な看病で、巴は数日後に元気になったが、南条は辞任して帰京することになった。「人を愛することは厳しいことだ。君のことを忘れなかったら、いつか迎えに来る」一緒に連れて行ってくれ、と頼む巴に、南条はこう言って、去って行った。
愛の陽炎
真昼の暗黒
狙われた男
ゴキブリたちの黄昏
銀心中
有楽町で逢いましょう
未成年 続・キューポラのある街
美徳のよろめき
喜劇・あゝ軍歌
婚期
京マチ子、高峰三枝子、若尾文子の豪華女優陣共演で微妙な女心を映し出した恋愛喜劇。出戻り長女、理想を追って婚期を逸した次女、恋愛と結婚は別と言う三女たちが、それぞれの婚期に直面していく姿を描く。
ビルマの竪琴
ビルマにいた日本軍は、国境を越えてタイへ敗走しようとしていた。水島上等兵は現地の斥候に変装し、井上隊長が率いる小隊を国境近くまで移動させていた。しかし国境近くで日本の敗戦を知った彼らは、武器を捨て、南のムドンへ送られることとなる。水島だけは米軍の要請により、いまだに抵抗し続ける日本軍の説得に向かうため、隊を離れた。水島が行方知れずとなったある日、井上小隊は水島によく似たビルマの僧侶とすれ違う。
喜劇 にっぽんのお婆あちゃん
赤い殺意
牝犬
日本列島
夏の嵐
禍福 後篇
若くて悪くて凄いこいつら
親の遺産と株で悠々と生活している変わり者・浩、オリンピックで水泳三位に入賞した万能スポーツ選手・俊夫、その二人から想いを寄せられるバージンの新子。そんな大学生の三人は、あるきっかけで実業界の大物である佐倉と知り合う。
人間狩り
あゝ野麦峠
愛と死をみつめて
発行部数100万を突破、64年のジャーナリズムの話題を一手にさらった感動の純愛記録を吉永、浜田の名コンビで贈る純愛大作決定版。
大学生の高野誠は、入院先の病院で小島道子と出会った。かわいくて清純な道子に、誠は一目惚れ。しかし二年後に再会したときも、道子は相変わらず病院生活を送っていた。どうにか高校を卒業した道子だったが、軟骨肉腫が再発し入院。誠は道子との文通を続け、時間ができると病院へ見舞いに行くようになる。しかし道子の病状は悪化、命を守るために顔半分を失う手術が必要となった。誠の励ましに道子は手術を決意。大手術の果てに顔を半分失ったが、様態は安定し、道子は元の明るさを取り戻そうとしていた。
人間の証明
東京の高級ホテルのエレベーターで黒人男性が殺された。“ストーハ”という言葉と、西条八十の詩集を残して。捜査線上に見え隠れするファッションデザイナー八杉恭子とその息子。黒人男性の過去を追って渡米する棟寄刑事。八杉と黒人男性の意外な関係、そしてアメリカの刑事と棟寄刑事の関係が明らかになる。
縮図
しあわせはどこに
女系家族
千羽鶴
しろばんば
娘たちは風にむかって
あゝ声なき友
配達されない三通の手紙
山口県の萩にある旧家の唐沢家には、麗子、紀子、恵子の美人三姉妹がいた。ある日、ボブという青年がアメリカから日本文化を研究するために来日、唐沢家に滞在することに。次女の紀子には婚約者の藤村がいたのだが、彼は3年前に忽然と姿を消してしまった。ボブの研究は、三女の恵子が手伝うことになる。そんな中、藤村が突然戻ってきて、紀子たちは結婚することに。ところが、紀子が藤村の本に挟まれていた3通の封筒を発見した様子を、ボブと恵子は見てしまう。手紙は、藤村の妹・智子に宛てられたものであったのだが…。
男はつらいよ 旅と女と寅次郎
「男はつらいよ」シリーズ第31作。寅さんが、満男の小学校生活最後の運動会に行くか行かないで、大げんか。そして旅先の佐渡島への港で出会ったのが、私生活と仕事の板挟みで何もかも投げ出したくなって、失踪中の演歌歌手・京はるみ(都はるみ)。そうとは知らず寅さんは、彼女と佐渡への二人旅。楽しい時を過ごし、やがて別れの時が。彼女の正体にいつしか気づいた寅さんは、優しい言葉をかける。そして柴又、「佐渡島の休日」に想いを馳せ、はるみの歌に聞き惚れていると、なんとはるみがとらやへやってくる・・・
母なれば女なれば
愛の讃歌
慾望
ともしび
続警察日記
好人好日
喜劇 命のお値段
刑期を終えて出所した福田清造と加東一郎は、、四十に達しようとする自分達の年齢を考え、まともな仕事につこうと別れることになった。それから一年後、東京港で荷役作業をしている労働者の中に清造がいた。彼は、急病人がでると医者のように手馴れた仕草で病人を治し、小金をためて故郷の緑ケ島へ両親の墓をたてようと帰ってきた。
地獄の波止場
女優
危険な女たち
大竹しのぶ、藤真利子、和由布子、池上季実子ら4人の女優が、猜疑心、嫉妬が入りまじり、悲劇に向かい突っ走っていく女性を演じる。原作は、ミステリーの女王、アガサ・クリスティの「ホロー荘の殺人」。
南紀白浜の絶壁に立つ絹村家の別荘。この家に6人の客が訪れることになっていた。夜、賑やかな会が落ち着いた頃、隣の別荘からまゆみがやって来る。客のひとり、秀雄は、かつて恋仲だったまゆみの出現に驚くが……。
愛と死の谷間
青春怪談
人生劇場 第二部
処刑前夜
セクシー・サイン 好き好き好き
勝敗
事件
暁の合唱
姉妹
おくさまは18歳
18歳の高校生の飛鳥(岡崎友紀)は、急病で倒れたおばあちゃんの「花嫁姿を一目見たい」という願いを聞きいれ、親同士が決めた許婚・高木哲也(石立鉄男)と結婚式をあげる。ところが飛鳥は、なんと哲也が教師をしている名門高校・北辰学園に転入学することに!もし結婚がばれたら哲哉はクビ、飛鳥は転校…。ドキドキの新婚&学園生活が始まった!
繭子ひとり
両親と離れて育った娘・加野繭子(山口果林)が、故郷である青森・八戸の高校を卒業後に上京し、自分を捨てた母・三輪子(草笛光子)を探し歩く。雑誌記者の仕事についた繭子は、母を捜す一方で、編集長・北川隆史(露口茂)との恋にも悩む。けなげに生きる中で、繭子がさまざまな人間とふれあい、心の成長を遂げていく様子を描いた作品。